マルチクラウドとは?今なぜ注目されているのか
「マルチクラウド」という言葉を耳にする機会が増えていませんか。IT業界で働く方はもちろん、これからエンジニアを目指す方にとっても見逃せないキーワードです。
マルチクラウドとは、複数のクラウドサービスを組み合わせて利用する運用形態のことです。例えば、AWSとMicrosoft Azure、Google Cloudを用途に応じて使い分けるイメージです。一つのクラウドに依存する「シングルクラウド」とは対照的な考え方といえます。
では、なぜ今マルチクラウドがトレンドとして注目されているのでしょうか。その背景には、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進があります。業務のデジタル化が加速する中、単一のクラウドだけでは対応しきれない要件が増えてきました。
具体的には、以下のような理由が挙げられます。
- ベンダーロックインの回避:特定のクラウド事業者への依存リスクを軽減できる
- コスト最適化:サービスごとに最もコストパフォーマンスの高いクラウドを選べる
- 可用性の向上:一つのクラウドが障害を起こしても他で補完できる
- 規制対応:データの保管場所に関する法規制へ柔軟に対応できる
Flexeraの「2024 State of the Cloud Report」によると、世界の企業の約89%がマルチクラウド戦略を採用しています。日本国内でも、総務省の調査で約70%以上の企業がクラウドサービスを利用しており、その中でマルチクラウド化の流れは着実に広がっています。
特に名古屋エリアを中心とした東海地方では、大手自動車メーカーや製造業がDXを積極的に推進しています。そのため、マルチクラウドに関する知識やスキルを持つエンジニアの需要は今後さらに高まることが予想されます。
2025年のマルチクラウド最新トレンド7選
マルチクラウドの世界は日々進化しています。ここでは、2025年に特に注目すべきマルチクラウドのトレンドを7つ厳選してご紹介します。
1. AIワークロードに対応したマルチクラウド戦略
生成AIの爆発的な普及により、AIワークロードへの対応がマルチクラウド戦略の中心課題となっています。各クラウドベンダーが独自のAIサービスを展開しており、用途に応じて最適なプラットフォームを選ぶ動きが加速しています。
例えば、Google CloudのVertex AIで機械学習モデルを構築し、AWSのSageMakerで推論処理を行うといった使い分けが一般的になりつつあります。AI関連の処理は膨大なコンピューティングリソースを必要とするため、コスト面でもマルチクラウドの恩恵は大きいです。
2. クラウドネイティブセキュリティの高度化
マルチクラウド環境では、セキュリティの複雑性が増します。2025年のトレンドとして、CNAPP(Cloud-Native Application Protection Platform)の導入が急速に進んでいます。CNAPPは、複数のクラウド環境を横断してセキュリティを一元管理するプラットフォームです。
従来はクラウドごとにセキュリティツールを導入していましたが、CNAPPにより統合的な管理が可能になりました。ゼロトラストセキュリティの考え方と組み合わせることで、より堅牢なセキュリティ体制を構築できます。
3. FinOps(クラウドコスト管理)の成熟
マルチクラウドの課題として常に上位に挙がるのがコスト管理です。FinOpsは、クラウドの財務管理を最適化するための実践手法です。2025年には、AIを活用した自動コスト最適化ツールの普及が進んでいます。
FinOps Foundation の調査では、FinOpsを導入した企業の約60%がクラウドコストを20%以上削減できたと報告されています。マルチクラウド環境では、各クラウドの料金体系が異なるため、FinOpsの重要性はさらに高まります。
4. エッジコンピューティングとの融合
IoTデバイスの増加に伴い、エッジコンピューティングとマルチクラウドの融合が進んでいます。データの発生場所に近い「エッジ」で処理を行い、必要なデータだけをクラウドに送る仕組みです。
製造業が盛んな東海地方では、工場のスマート化(スマートファクトリー)において、この技術の活用が特に注目されています。AWS Outposts、Azure Stack、Google Distributed Cloudなど、各ベンダーがエッジ向けサービスを強化しています。
5. マルチクラウド管理プラットフォームの進化
複数のクラウドを効率的に管理するためのプラットフォームが急速に進化しています。TerraformやPulumiなどのIaC(Infrastructure as Code)ツールに加え、Kubernetesを活用したコンテナオーケストレーションが主流となっています。
特にKubernetesは、マルチクラウド環境でのアプリケーション展開を統一的に管理できる点で、事実上の標準技術となっています。各クラウドベンダーもマネージドKubernetesサービスを提供しており、EKS(AWS)、AKS(Azure)、GKE(Google Cloud)の利用が拡大しています。
6. サステナビリティを意識したクラウド選択
環境負荷の低減を重視するESG経営の観点から、クラウドの選択基準にサステナビリティが加わっています。各クラウドベンダーは再生可能エネルギーの利用率やカーボンフットプリントの可視化ツールを提供しています。
マルチクラウド戦略において、環境負荷の少ないリージョンやベンダーを優先的に選択する企業が増えています。Google Cloudは2030年までに全データセンターで24時間カーボンフリーエネルギーの実現を目標に掲げています。
7. ソブリンクラウドの台頭
データ主権(データソブリンティ)への関心の高まりを受け、ソブリンクラウドの需要が拡大しています。ソブリンクラウドとは、特定の国や地域の法規制に完全に準拠したクラウド環境のことです。
日本でも2024年にガバメントクラウドの本格運用が始まり、官公庁系のシステムではソブリンクラウドの要件が重視されています。マルチクラウド戦略の中で、用途に応じてソブリンクラウドを組み込む動きが加速しています。
マルチクラウドのメリットとデメリットを徹底比較
マルチクラウドのトレンドを把握した上で、改めてメリットとデメリットを整理しましょう。導入を検討する際の判断材料として活用してください。
マルチクラウドの主なメリット
| メリット | 詳細説明 |
|---|---|
| ベンダーロックインの回避 | 特定のクラウドへの依存を避けることで、価格交渉力の維持やサービス変更時のリスクを軽減できます |
| 最適なサービスの選択 | 各クラウドベンダーの得意分野を活かし、ワークロードごとに最適なサービスを選択できます |
| 事業継続性の向上 | 一つのクラウドで障害が発生しても、他のクラウドでサービスを継続できるため、ダウンタイムを最小化できます |
| コスト最適化 | リザーブドインスタンスやスポットインスタンスなど、各クラウドの料金プランを比較し最安値を選択できます |
| 地理的な柔軟性 | 世界各地のリージョンを活用でき、データの物理的な保管場所を柔軟にコントロールできます |
| イノベーションの促進 | 複数ベンダーの最新技術にアクセスでき、新しいサービスや機能をいち早く試すことが可能です |
マルチクラウドの主なデメリットと対策
| デメリット | 対策方法 |
|---|---|
| 運用管理の複雑性 | マルチクラウド管理ツール(Terraform、CloudHealthなど)を導入し、統合的な管理体制を構築する |
| セキュリティリスクの増大 | CNAPPやSIEM(セキュリティ情報イベント管理)ツールで横断的にセキュリティを監視する |
| 人材確保の難しさ | 複数クラウドに精通したエンジニアの育成・採用を計画的に進める |
| データ転送コスト | クラウド間のデータ転送を最小限に抑えるアーキテクチャ設計を行う |
| スキルセットの分散 | チーム内で担当クラウドを分けつつ、共通基盤技術(Kubernetes等)を統一する |
デメリットは確かに存在しますが、適切な対策を講じることで十分にカバーできます。重要なのは、自社の課題や目的に合った戦略を立てることです。「とりあえずマルチクラウド」ではなく、明確な目的を持って導入することが成功の鍵となります。
業界別マルチクラウド活用事例|東海地方の動向も紹介
マルチクラウドのトレンドは業界によっても異なります。ここでは、主要な業界別の活用事例をご紹介します。
自動車・製造業
名古屋を中心とした東海地方の基幹産業である自動車・製造業では、マルチクラウドの活用が急速に進んでいます。
大手自動車メーカーでは、以下のようなマルチクラウド活用が見られます。
- 設計データの管理:高いセキュリティが求められるためプライベートクラウドを活用
- コネクテッドカーのデータ処理:大量のIoTデータを処理するためAWSやGCPを利用
- サプライチェーン管理:取引先との連携にMicrosoft Azureを活用
- AI活用の品質検査:画像認識にGoogle CloudのAIサービスを利用
株式会社アイティークロスでも、大手自動車メーカー向けのシステム開発案件において、マルチクラウド環境での開発経験を持つエンジニアが活躍しています。
金融業界
金融業界は、規制対応とイノベーションの両立が求められる業界です。メガバンクや地方銀行を中心に、以下のようなマルチクラウド活用が進んでいます。
- 勘定系システム:オンプレミスまたはプライベートクラウドで運用
- フロントエンド(アプリ・Web):パブリッククラウド(AWS、Azure)で迅速に開発
- データ分析基盤:Google BigQueryやAWS Redshiftを活用
- AI与信審査:複数のクラウドAIサービスを比較検証して最適なものを採用
金融庁のガイドラインでは、クラウドサービス利用時のリスク管理が明確に定められており、マルチクラウド戦略はリスク分散の観点からも推奨されています。
官公庁・自治体
ガバメントクラウドの整備に伴い、官公庁・自治体でもマルチクラウドの流れが本格化しています。デジタル庁が推進するガバメントクラウドでは、AWS、Azure、Google Cloud、Oracle Cloudが認定されています。
自治体の基幹業務システムのクラウド移行は2025年度末を目標に進められており、今後さらにマルチクラウド関連の案件が増えることが見込まれます。株式会社アイティークロスでも、官公庁向けのシステム開発案件を多数手がけています。
小売・EC業界
小売・EC業界では、季節やキャンペーンによるトラフィックの変動に対応するため、マルチクラウドが活用されています。
- 通常時:コストの低いクラウドでベースを運用
- セール時:バースト対応として複数クラウドにスケールアウト
- CDN配信:CloudFront(AWS)とCloud CDN(GCP)を併用してレイテンシを最小化
マルチクラウド時代に求められるエンジニアスキル
マルチクラウドのトレンドが加速する中、エンジニアに求められるスキルも変化しています。ここでは、今後のキャリアアップに直結するスキルを具体的に解説します。
必須スキル
- クラウド基盤の知識:AWS、Azure、Google Cloudのうち少なくとも2つ以上の基本的な操作・設計スキル
- コンテナ技術:Docker、Kubernetesの理解と実践力。マルチクラウドでのポータビリティの要です
- IaC(Infrastructure as Code):Terraform、Ansible、Pulumiなどを使ったインフラの自動管理
- CI/CD:GitHub Actions、GitLab CI、Jenkins等を活用した継続的インテグレーション・デリバリー
- ネットワーク知識:VPN、VPC peering、マルチクラウド間のネットワーク接続設計
差別化スキル
- FinOps:クラウドコストの可視化と最適化。ビジネス的な視点を持てるエンジニアは重宝されます
- セキュリティ:ゼロトラストアーキテクチャ、IAM設計、コンプライアンス対応
- データエンジニアリング:マルチクラウド間のデータパイプライン構築
- SRE(Site Reliability Engineering):可用性の高いシステム運用の実践
おすすめの資格
| 資格名 | 提供元 | 推奨レベル |
|---|---|---|
| AWS Solutions Architect – Associate | Amazon Web Services | 中級 |
| Azure Administrator Associate | Microsoft | 中級 |
| Google Cloud Professional Cloud Architect | 上級 | |
| CKA(Certified Kubernetes Administrator) | CNCF | 中〜上級 |
| HashiCorp Certified: Terraform Associate | HashiCorp | 中級 |
| FinOps Certified Practitioner | FinOps Foundation | 中級 |
株式会社アイティークロスでは、充実した研修制度を通じてこれらのスキルアップを支援しています。個人の希望を100%ヒアリングした上で最適な案件をアサインするため、マルチクラウドの実務経験を効率的に積むことが可能です。異業種からの転職者が5割以上在籍しており、未経験からクラウドエンジニアへのキャリアチェンジを実現した社員も多くいます。
マルチクラウド導入を成功させるための5つのステップ
マルチクラウドの導入を検討している企業や、導入プロジェクトに参画するエンジニアの方に向けて、成功のための具体的なステップをご紹介します。
ステップ1:現状分析と目的の明確化
まず、現在のIT環境を棚卸しし、マルチクラウド導入の目的を明確にしましょう。
- 現在使用しているクラウドサービス・オンプレミス環境の洗い出し
- 各ワークロードの特性(CPU集約型、ストレージ集約型、ネットワーク集約型)の分析
- 課題の特定(コスト増大、ベンダーロックイン、パフォーマンス不足など)
- マルチクラウド化で達成したい具体的なKPIの設定
ステップ2:クラウドサービスの選定と設計
各ワークロードに最適なクラウドサービスを選定します。選定基準には以下を含めましょう。
- 機能要件とクラウドサービスの適合度
- リージョンの可用性とレイテンシ
- 料金体系と長期的なコスト見通し
- セキュリティ認証(ISO 27001、SOC 2等)の取得状況
- 既存システムとの連携のしやすさ
ステップ3:共通基盤の構築
マルチクラウド環境を効率的に管理するための共通基盤を構築します。
- ID管理:シングルサインオン(SSO)と統合IAMの導入
- 監視・ログ管理:Datadog、Grafana、ELK Stackなどの統合監視ツールの導入
- IaC:Terraformで全環境のインフラをコード管理
- ネットワーク:クラウド間のセキュアな接続(VPN、専用線、メッシュネットワーク)の構築
ステップ4:段階的な移行と検証
いきなり全システムをマルチクラウド化するのではなく、段階的に移行することが重要です。
- まずは非本番環境(開発・テスト環境)から始める
- パイロットプロジェクトで効果を検証する
- 本番環境への移行は十分なテストの後に実施する
- ロールバック計画を必ず用意しておく
ステップ5:運用体制の整備と継続的な改善
マルチクラウドは導入して終わりではなく、継続的な運用と改善が不可欠です。
- FinOpsの実践によるコストの継続的な最適化
- セキュリティポリシーの定期的な見直し
- 新しいクラウドサービスや機能の評価・導入検討
- 運用チームのスキルアップと知識共有の仕組み作り
これらのステップを着実に実行することで、マルチクラウドの導入を成功に導くことができます。経験豊富なエンジニアがプロジェクトに参画することで、各ステップの精度が格段に向上します。
マルチクラウドの将来展望|2025年以降はどうなるか
マルチクラウドのトレンドは今後も進化を続けます。2025年以降の将来展望を予測してみましょう。
AIによる自律的なクラウド管理
2026年以降、AIがマルチクラウド環境を自律的に管理する時代が到来すると予測されています。ワークロードの特性をAIが分析し、最適なクラウドへ自動的に配置する仕組みが一般化するでしょう。
Gartnerは、2027年までに大企業の50%以上がAI駆動のクラウド管理プラットフォームを導入すると予測しています。
量子コンピューティングとの統合
AWS Braket、Azure Quantum、Google Quantum AIなど、各クラウドベンダーが量子コンピューティングサービスを提供しています。量子コンピューティングが実用段階に入れば、マルチクラウド戦略に量子コンピューティングが組み込まれることになるでしょう。
サーバーレスマルチクラウドの普及
サーバーレスアーキテクチャのさらなる普及により、マルチクラウドの実現がより容易になると見込まれます。AWS Lambda、Azure Functions、Google Cloud Functionsを横断的に活用するフレームワークの成熟が期待されます。
業界特化型クラウドの台頭
金融、医療、製造業など、業界固有の規制やニーズに特化したクラウドサービスが増加するでしょう。マルチクラウド戦略の中に、これらの業界特化型クラウドを組み合わせるケースが一般的になります。
日本市場の動向
日本国内では、以下のような動きが注目されます。
- ガバメントクラウドの拡大:自治体の基幹業務システム統一に伴うマルチクラウド需要の増大
- 製造業DXの加速:特に東海地方を中心とした自動車・製造業でのクラウド活用の深化
- 国産クラウドの動向:さくらインターネットやNTTコミュニケーションズなどの国産クラウドのポジション変化
- 人材需要の拡大:マルチクラウドスキルを持つエンジニアの求人が大幅に増加する見込み
IDC Japanの調査によると、日本のパブリッククラウドサービス市場は2027年に約10兆円規模に成長すると予測されています。この成長に伴い、マルチクラウドの需要もさらに拡大するでしょう。
まとめ
マルチクラウドは一時的なブームではなく、企業のIT戦略における長期的なトレンドです。本記事のポイントを改めて整理します。
- マルチクラウドとは複数のクラウドサービスを組み合わせて利用する運用形態である
- 2025年のトレンドとして、AI対応、セキュリティ高度化、FinOps、エッジ融合、管理ツール進化、サステナビリティ、ソブリンクラウドの7つが注目されている
- メリットはベンダーロックイン回避、コスト最適化、可用性向上など多岐にわたる
- デメリットとして運用の複雑性やスキル確保の課題があるが、適切な対策で解決可能である
- 自動車・製造業、金融、官公庁など、さまざまな業界でマルチクラウドの活用が進んでいる
- Kubernetes、Terraform、セキュリティ、FinOpsなどのスキルが特に重要になっている
- 導入は段階的に進め、継続的な改善が成功の鍵である
- AI自律管理や量子コンピューティング統合など、将来もさらなる進化が期待される
マルチクラウドのトレンドをキャッチアップし、関連スキルを身につけることは、エンジニアとしてのキャリアを大きく広げます。
株式会社アイティークロスは、名古屋市中区栄を拠点に、大手自動車メーカーや金融機関、官公庁など幅広い案件を手がけるSES企業です。マルチクラウド関連の案件も多数取り扱っています。個人の希望を100%ヒアリングし、最適なキャリアパスを一緒に考える姿勢が特徴です。年間休日125日、残業月平均12.3時間と、ワークライフバランスも整っています。
マルチクラウド時代のエンジニアとして成長したい方は、ぜひ一歩を踏み出してみてください。
よくある質問(FAQ)
マルチクラウドとハイブリッドクラウドの違いは何ですか?
マルチクラウドは複数のパブリッククラウドサービス(AWS、Azure、Google Cloudなど)を組み合わせて利用する形態です。一方、ハイブリッドクラウドは、オンプレミス(自社サーバー)とパブリッククラウドを組み合わせた形態を指します。実際の現場では両方を組み合わせた「ハイブリッドマルチクラウド」の構成も多く採用されています。
マルチクラウドの導入にはどのくらいのコストがかかりますか?
マルチクラウドの導入コストは、システムの規模や移行範囲によって大きく異なります。一般的に、初期のアーキテクチャ設計・構築で数百万円から数千万円、管理ツールのライセンス費用が月額数十万円程度かかるケースが多いです。ただし、FinOpsを実践することで長期的にはクラウドコスト全体を20〜30%削減できるケースも報告されています。段階的に導入を進めることでリスクとコストを抑えることが可能です。
マルチクラウドエンジニアになるにはどのようなスキルが必要ですか?
マルチクラウドエンジニアには、まずAWS・Azure・Google Cloudのうち2つ以上の基本操作スキルが求められます。さらに、Docker・Kubernetesなどのコンテナ技術、TerraformなどのIaC(Infrastructure as Code)ツールの経験が重要です。加えて、ネットワーク設計、セキュリティ(ゼロトラスト、IAM設計)、FinOps(クラウドコスト管理)の知識があると市場価値が大きく高まります。AWS Solutions Architect AssociateやCKAなどの資格取得も効果的です。
未経験からマルチクラウドに関わる仕事に就くことは可能ですか?
可能です。まずは一つのクラウド(AWSが最も求人が多い)の基本を学び、資格を取得することから始めるとよいでしょう。その後、実務経験を積みながら他のクラウドや関連技術のスキルを広げていく流れが一般的です。株式会社アイティークロスのようなSES企業では、異業種からの転職者が5割以上在籍しており、充実した研修制度でクラウドエンジニアとしてのキャリアをスタートできる環境が整っています。
名古屋エリアでマルチクラウド関連の求人は増えていますか?
はい、増加傾向にあります。名古屋を中心とした東海地方には大手自動車メーカーや製造業が集積しており、これらの企業がDXを推進する中でマルチクラウド関連の案件が増えています。また、官公庁のガバメントクラウド対応やスマートファクトリーの推進もあり、クラウドスキルを持つエンジニアの需要は今後さらに高まると予測されています。リモートワークの普及により、東京の案件に名古屋から参画できるケースも増えています。
マルチクラウドで特に注意すべきセキュリティリスクは何ですか?
マルチクラウド環境では、主に以下のセキュリティリスクに注意が必要です。第一に、クラウドごとに異なるセキュリティ設定の管理が煩雑になり、設定ミスが発生しやすくなります。第二に、クラウド間のデータ転送における暗号化の確保が必要です。第三に、IAM(アクセス権限管理)が複雑化し、過剰な権限付与が起きやすくなります。対策として、CNAPPなどの統合セキュリティプラットフォームの導入や、ゼロトラストアーキテクチャの採用が推奨されています。
マルチクラウド戦略は中小企業にも必要ですか?
中小企業にとって必ずしもマルチクラウドが最適とは限りません。運用管理の複雑性やコストの観点から、まずは一つのクラウドをしっかり活用することが優先される場合もあります。ただし、BCP(事業継続計画)の観点からバックアップ先として別のクラウドを利用したり、特定のSaaSと組み合わせたりする限定的なマルチクラウドは中小企業にも有効です。自社の規模や課題に合わせて、段階的にマルチクラウド化を検討することをおすすめします。
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